※2019年度分2020年3月15日申告期限の法律に基づいて記事を作成しています

給与所得の場合と事業所得の場合でご説明させていただきます

奥さん、妻、主婦の方が収入を得ている場合、大きく分けて2つのケースがあると思われます。
・アルバイト、パートの給与所得収入

・自分でお商売されて収入をせる事業所得収入
ただ多くの場合はアルバイト、パートの給与所得収入のケースだと思われます。しかし下記においては厳密に2つのケースに分けてご説明させていただきます。

給与所得収入の場合

結論から申し上げます、主婦パート99万円最強説です!

詳細を申し上げれば、タイトルのような様々な壁が日本の税制においては存在します。それらを完全に記憶しようとしますと逆に混乱してしまいます。そこで「99万円最強」と暗記されることをおオススメいたします。

なぜなら「100万円」で暗記してしまうと「100万以下だったか?100万超だったか?」でまた混乱が生じてしまいます。「99万円」であれば暗記しやすいです。

もう一度申し上げます、「99万円最強」です。

恐れるべき最大の壁は「106万円の社会保険の壁」です!

詳しいことは後述しますが、現在の税制においては、大きな企業でパートとして勤務される場合は106万円を超えると社会保険に強制加入となるため、手取り額が大きく減少します。具体的には
・正社員が501人以上
・収入が月88,000円以上
・雇用期間が1年以上
・所定労働時間が週20時間以上
・学生ではない
のすべてに該当する場合ですが、覚えきれないと思います。「99万円じゃ嫌だ、106万円ギリギリを攻めたい!」という方を除き、ここでも「99万円最強説」で暗記していただければややこしいことは発生しないと言い切れます。

大企業ではなく、中小零細企業、個人事業所等に勤務パートであれば130万円以下であれば夫の社会保険の扶養に入ることができます。

詳しいことは後述しますが、個人事業所や中小零細企業でパートするのであれば130万円以下に抑えれば夫の社会保険の扶養に入りつつ、パートができるので、自身の所得税及び住民税を支払えば良いということになります。
しかし130万円を12ヶ月で割った平均月収108,333円(交通費含む)を超えないという論点もあり非常に複雑です。
ここでも「99万円最強説」で暗記していただければややこしいことは発生しないと覚えておいてください!

詳細解説!日本に存在する壁の種類!

現在の日本に存在する壁の種類は下記に集約できると思います。
・税法100万の壁

・税法103万の壁
・社会保険106万の壁
・社会保険130万の壁
・税法150万の壁
しかし、私見ではこのうち意識すべき壁は「社会保険の壁106万及び130万」であり「税法の壁は軽微で無視してよい」と申し上げたいと思います。

表で細かく見ていきましょう。

パート
給与収入
社会保険料夫の配偶者控除妻の給与収入協会健保等
国民健康保険
厚生年金
国民年金
雇用保険料所得税住民税手取り 
100万円超
103万円以下
社保被扶養380,000101万円00003,7001,006,300
103万円超
106万円以下
社保被扶養380,000104万円0005005,0001,034,500
106万円超
130万円以下
社保自己1/2負担380,000108万円61,46496,6243,24000918,672
社保被扶養380,000108万円0002,50013,1001,064,400
130万円超
150万円以下
社保自己1/2負担380,000132万円76,824120,7803,9604,40016,8001,097,236
社保自己全額負担380,000132万円123,992200,0003,96006,100985,948
150万円超
201万円以下
社保自己1/2負担310,000156万円93,588147,1324,68014,40036,4001,263,800
社保自己全額負担310,000156万円159,224200,0004,6808,30024,6001,163,196

表1

106万超えかつ130万以下である「給与収入108万」の方はとんでもないことに!?

表1に対応 給与収入 手取り  
1,080,000 918,672 ▲161,328
1,080,000 1,064,400 ▲15,600
    差145,728  

表1の③は給与収入が106万を超えておりかつ大企業にパート勤務をしているため、社会保険料を自己負担している方の場合です。161,328円も手取りが少ないです。
表1の④は給与収入が106万を超えているが夫の社会保険の扶養に入っている方の場合です。所得税及び住民税しか発生しないので15,600円しか手取りが少なくなっておりません。
同額の給与収入を得ている場合であっても③と④では145,728円も差が出ています。
※ただ+α論点として③は厚生年金第2号被保険者として自分で納付しているので将来的な年金受け取りに有利になる可能性もあります。

130万円超かつ150万円以下である132万の方も手取りがとんでもないことに!?

表1に対応 給与収入 手取り  
1,320,000 1,087,236 ▲232,764
1,320,000 985,948 ▲334,052
    差101,288  

表1の⑤は給与収入が106万を超えておりかつ大企業にパート勤務をしているため、社会保険料を自己負担している方の場合です。232,764円も手取りが少ないです。
表1の⑥は給与収入が130万超なので夫の社会保険の扶養に入れない場合です。社会保険等を自己負担しなんと334,052円も手取りが少ないです。
同額の給与収入を得ている場合であっても⑤と⑥では101,288円も差が出ています。130万円超で勤務パートするような場合は、社会保険は事業所に加入してもらい1/2負担をしてもらわないと自己負担がすごいことになってしまいます。

もはや税法上の壁は気にしなくて良いかもしれません

表1の「夫の配偶者控除」の欄を見ていただければわかるように、配偶者控除は150万円まで影響しません。また201万円までは減少はするものの控除してくれるので税法の壁はもはや気にする必要はないかもしれません。一応税法の壁を解説しておきます。
・100万の壁とは住民税が発生することを指しますが表1より軽微であると思います。
・103万の壁とは所得税が発生することを指しますが表1より軽微であると思います。
・150万の壁とは配偶者控除が配偶者特別控除に切り替わり控除額が減少することを指しますが表1より社会保険と比べれば軽微であると思われます。

結論、「パート99万最強説」もしもっと働きたいのであれば「社会保険加入事業所で思いっきり働く」

何度もしつこく申し訳ありませんが、もう一度申し上げます「パート99万最強説」です。パートの収入なんてたかがしれているよ、というお声もあるかもしれません。しかし、99万も10年間続ければ、990万円です。しかも完全な無税です。実はとても良い制度なのではないでしょうか?

仮にもっと働くのであれば世間でいうところのパートではなく「完全な正社員の共働き」というスタイルで働かなければ、社会保険等の負担が重くのしかかることになるかと思います。

事業所得収入の場合

夫がサラリーマンとして働いており、奥さんが起業して商売をしていた場合の扶養についての言及は一般的にあまりされないと思いますのでご説明させていただきます。

事業所得収入の場合は給与所得収入と違い○○万円までに抑えるという考え方ではなく「結果として社保の扶養に入れるかどうか」しか無理かと思われます

事業所得収入   夫の配偶者控除妻の所得健康保険料年金保険料雇用保険料所得税住民税手取り 
社会保険130万の壁売上-直接経費-その他経費-青色申告65万控除=38万円超売上-直接経費=130万円以下夫の社保扶養380,000売上150万-直接経費40万-その他経費10万=手取り100万000001,000,000
売上-直接経費-その他経費-青色申告65万控除=38万円超売上-直接経費=130万円超社保自己全額負担380,000売上150万-直接経費10万-その他経費40万=手取り100万125,460200,000000674,540

表2

上記の表2のように奥さん、妻、主婦が事業所得収入の場合は「社会保険130万円の壁」のみであり「税法の壁」は意識してもどうしようもないというのが私見です。注意点は
・社保扶養の判定は、売上-直接経費=130万円以下ということ

・健康保険自己負担計算の所得は、「売上-直接経費-その他経費-青色申告65万控除」であること
が注意点として挙げられます。とても分かりにくいと思いますので、個人事業主つまり事業所得者が配偶者の社会保険の扶養に入れる要件について、というページで別途解説させていただきます。

当然ですが自分で起業・商売をしている場合は社会保険1/2負担というものがないので扶養に入れるかまたは全額自己負担かのいずれか

従いまして表2の②のような場合は、商売としては手取りが100万円あるにもかかわらず、674,540円まで手取りが減少することになります。

事業所得収入の場合はとにかく所得を増やすしか無いようです

雇用契約やパート、アルバイトはこういう観点からみると実はとても恵まれているのかもしれません。

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