月別収支計画書、業績予測、予測損益計算書、名称は何でもよいですがこれらは必須です!

主婦0円起業・0円起業小資本・低リスク起業補助金付きで起業創業融資で起業
創業計画書作成しなくてもよい作成しなくてもよい必須必須
事業計画書作成しなくてもよい作成しなくてもよい必須必須
月別収支計画書(1年単位/1期単位)=予測損益計算書月別である必要はなく、1年単位、1期単位で作成すべきです月別である必要はなく、1年単位、1期単位で作成すべきです月別である必要はなく、1年単位、1期単位で必須です月別である必要はなく、1年単位、1期単位で必須です
資金繰り表作成しなくても良い必須必須必須
売上高の根拠となる集客数計画書(弊所オリジナル書式)必須必須必須必須

創業計画書や事業計画書って何ですか?作ったほうがいいですか?のページでご説明させていただきましたが、主婦0円起業・0円起業、小資・低リスク起業、補助金付きで起業、創業融資で起業、いずれの方法での開業であっても収支を予測した計画書は必須です。収支計画書は月別である必要はなく1年単位、1期単位で作成しましょう。

集客数計画書(弊所オリジナル書式)を作成しましょう!

後述しますが、収支計画における軸は見込み来客数や見込み売上高です。起業、創業を考えておられる方の中で「全く集客できない、売上が上がらない」と思って起業しようとする方はいないと思います。これだけの来客数シュミレーションで売上がこれくらいのペースで増えていくという考えは必ずあると思います。それを数字に落とし込んでいきましょう。

日本政策金融公庫のホームページの創業計画書の事業の見通しに関連する記入例のページを見てみましょう。

飲食店営業、理美容業の「回転数」って実はよくわからない

日本政策金融公庫が参考として提示する「売上等の計算方法について」や、創業計画書の記入例を見てみましょう。

 図1:日本政策金融公庫ホームページ、創業計画書の記入例のページ

上記の図1は日本政策金融公庫のホームページで、創業計画書の書き方や見本を調べているとおそらく必ずでてくるであろう、記入例のページです。まず一番下に、【参考】売上等の計算方法についてというPDFがあります。そして、洋風居酒屋の記入例のPDFと美容業の記入例のPDFがあります。居酒屋の記入例がなぜ「居酒屋」でもなく「和風居酒屋」でもなく「洋風居酒屋」に限定しているのか?いささか謎ではありますが、気にしないでおきましょう。

図2:日本政策金融公庫のホームページが提示する「【参考】売上等の計算方法について」

3,950円 ×2台 ×4.5回転 ×25日
    ↑なぜ、どうして、どういう根拠で4.5回転になるのかの説明が無い。説明しようとしても回転という概念がよくわからない。  

「【参考】売上等の計算方法について」のPDFをクリックすると、飲食営業、理容業、美容業などのサービス業関係業種は「客単価×席数×回転数」の算式で算出しなさいとあります。例ではいきなりバンと回転数=4.5回転とあるが「どういった根拠で4.5回転なのか」が不明です。念のため回転数を考えてみると、回転数は
・お客さんの滞在時間
・お客さんをさばく業務効率
に依存すると思います。「うちは立ち食いだからお客さんの滞在時間は短い」とか「うちは従業員のシフトをたくさん入れて業務効率が良いから回転数が良い」という考え方は、創業計画書や事業計画書で書きにくいと思います。

図3:「美容業」創業計画書の記入例、事業の見通し

6,000円 ×3台 ×2回転 ×26日
    ↑なぜ、どうして、どういう根拠で2回転になるのかの説明が無い。説明しようとしても回転という概念がよくわからない。  

「美容業」創業計画書のPDFをクリックして見てみると、ここでもいきなりバンと「2回転」と書かれていますが、その根拠がどこにもありません。3台で2回転ということは、来客数は6人ということでしょうか?美容室であるとすれば完全予約制ということも多いでしょうから、「来客数」や「予約数」で収支の見通しを考えてもよいのではないでしょうか?

図4:「洋風居酒屋」創業計画書の記入例、事業の見通し

昼(月~土) 900円 ×25席 ×0.8回転 ×26日
夜(月~木) 4,500円 ×25席 ×0.6回転 ×18日
夜(金、土) 4,500円 ×25席 ×0.9回転 ×8日
      ↑なぜ昼のランチが0.8回転なのか根拠が不明。また月~木の夜ディナーは0.6回転だが、金・土は0.9回転である根拠も不明。  

しつこくて大変申し訳ありませんが、「洋風居酒屋」創業計画書の記入例のPDFを見てみましょう。ここでは、昼ランチ(月~土)の回転率0.8回転で、夜ディナー(金、土)の回転率は0.9回転と、夜ディナーが昼ランチの回転率より高いことになっていますが、これがなぜであるのか根拠は不明です。

回転数(率)は集客限度人数に使用しましょう

客単価 ×客数   =売上
  ↓分解 ↓分解  
客単価 ×席数 ×回転数(回転率) =売上

・客単価×客数=売上という算式を分解すると

・客単価×席数×回転数(回転率)=売上に変換できると思います。

日本政策金融公庫の創業計画書の記入例は、おそらく席数を決めてから客数を決めるため回転率という概念がでてくるのであろうと思います。席数を決めるということは店舗の広さを決めることであるからつまり家賃を決めるところから始めているのだと思います。

後述しますが広告対象者数×広告率で集客人数を出した場合、その限度人数が必要となります。集客した人数をさばくことのできる席数、人員と対応していなければ非現実的な予測となってしまうからです。

日本政策金融公庫創業計画書「3取扱商品・サービス」における「販売ターゲット・販売戦略」の記入例を見てみましょう

日本政策金融公庫
創業計画書記入例
3取扱商品・サービス
販売ターゲット・販売戦略の欄
販売ターゲット販売戦略
1洋風居酒屋「30~40代の○○地区周辺の会社員がメインターゲット」とあるが、なぜそうであるかの理由が乏しい。販売戦略の記入が無し。SNS、HP、タウンプラス、チラシ、店看板による広告数と反応率の予測が無い。これではなぜ集客できるのか根拠がない。
2美容業販売ターゲット層の記入が無い。コンセプト、差別化の根拠が無い。「現勤務先の固定客約200人」のうち何%が自身の顧客になってくれるかの根拠が無い。「口コミなどで顧客層を広げる」とあるが口コミはあくまで結果論であり狙った広告ではないため希望的観測でしかない。SNS、HP、タウンプラス、チラシ、店看板による広告数と反応率の予測が無い。これではなぜ集客できるのか根拠がない。
3中古自動車販売業「若者に人気のあるワンボックスタイプなども豊富に揃え若者層も取り込む」とあるが、そもそもどの層を狙っているか不明である。またワンボックスタイプを揃えただけで若者層を取り込めるかどうかは根拠に乏しい。「現勤務先の固定客約200人」のうち何%が自身の顧客になってくれるかの根拠が無い。SNS、HP、タウンプラス、チラシ、店看板による広告数と反応率の予測が無い。これではなぜ集客できるのか根拠がない。
4婦人服・子供服小売業「子育て世代の30代前後の女性がメインターゲット」とあるがそのターゲット層に圧倒的に支持されるという根拠が乏しい。販売戦略の記入が無し。SNS、HP、タウンプラス、チラシ、店看板による広告数と反応率の予測が無い。これではなぜ集客できるのか根拠がない。
5ソフトウェア開発業販売ターゲットの記入が無い。「元勤務先○○でデータ㈱からの業務請負」という明確な売上の記載は良い。しかし「並行して営業を行い受注の幅を広げる」が根拠に乏しい。SNS、HP、タウンプラス、チラシ、店看板による広告数と反応率の予測が無い。これではなぜ集客できるのか根拠がない。
6内装工事業販売ターゲットの記入が無い。「自身が担当した顧客が300人程いる。当面はその顧客からの紹介」とあるがその300人のうち紹介が何件あるのか根拠に乏しい。「現勤務先からの受注」というのは確実性が高く良い。SNS、HP、タウンプラス、チラシ、店看板による広告数と反応率の予測が無い。これではなぜ集客できるのか根拠がない。
7学習塾「○○駅周辺の学生のほか、近隣の住民」というのは明確な販売ターゲットとは言えない。「チラシやポスティングを用いて集客を図る」とあるが広告数と反応率の記載がなく根拠に乏しい。SNS、HP、タウンプラス、チラシ、店看板による広告数と反応率の予測が無い。これではなぜ集客できるのか根拠がない。
8歯科診療所「○○駅を利用する会社員向けに夜間診療をするなど差別化を図る」というのは良い。しかしそれ以外のターゲットに対する言及がない。広告規制がある中でどのように広告し、認知させていくかの具体的方法の記入が無い。
9介護サービス「○○駅周辺にお住いの要介護者」とあるがなぜなのか根拠に乏しい。広告規制がある中でどのように広告し、認知させていくかの具体的方法の記入が無い。

弊所オリジナルで独自のオススメ来客数予測の作成手順と考え方

昭和及び平成中期までの作成手順と平成後期から令和時代の来客数予測の作成手順の違い

収支計画、予測損益、創業事業計画書の立て方の違い昭和及び平成中期まで(~2010年)平成後期及び令和時代(2011~)
1番目店舗の立地、広さ、席数を決めると物件が絞られ家賃が決まる。店看板や口コミ拡散力がメインであるから、店の規模は大きければ大きいほど良い。創業、起業、開業前段階で、Twitter、インスタ、youtube等のSNS及びHPを立ち上げておき、さらにタウンプラスやチラシ等でフォロワーを獲得しておく。
2番目店舗の規模に合わせた従業員人件費を計上するなど、固定費を確定させる。SNSのフォロワーや自身の知名度等から集客数計画を立て、売上、利益計画を立てる。
3番目固定費を下回らないような売上、利益計画を確保できる集客数計画を立てる。売上、利益計画が達成できるような店舗の立地、広さ、席数、から物件・家賃を決定する。SNS等のオンライン上や自身の知名度が高ければ立地にこだわる必要はない。また客単価を高くするコンセプトであれば、店の広さもこだわる必要はなく、家賃を抑えることができる。
4番目売上、利益計画を達成できるような広告宣伝費を計上する。売上、利益計画、店の規模に応じた人件費等の固定費を計上する。
5番目1~4番目までで立てた計画でさらに変動費を計上し資金不足、キャッシュアウトが起こらないかどうか検証する。1~4番目までで立てた計画でさらに変動費を計上し資金不足、キャッシュアウトが起こらないかどうか検証する。
6番目どうしても資金が足らないようであれば創業融資を受ける。自身の集客能力、売上能力から経費を算出しているため大きく資金不足は起こらない計画であろうものの、資金が不足する場合は創業融資を受ける。

集客人数は回転数ではなく来客数で考える、来客数は広告対象者数×反応率

起業をして商売を開業したとしてもそのことを知らせなければお客さんはやってきません。

・来客数=広告対象者数×反応率

と弊所では考えております。

2年目以降の来客数=広告対象者数×反応率(新規来客数)+リピーター数

2年目以降は「リピーター数」という概念を忘れてはいけません。リピーター数が無ければ永遠と広告し続けなければならないことになるからです。

・2年目以降の来客数=広告対象者数×反応率(新規来客数)+リピーター数

と弊所では考えております。

集客人数が集客限度人数内に収まっているか検証する

席数、人員、回転数から集客限度人数を導き出し、その人数内に収まっているか検証しましょう。

弊所独自の集客数及び売上予測シュミレーションの具体的記入例(居酒屋)

開業するビジネスと相性の良い集客広告方法をまず選択しましょう。

起業したいけれど集客ってどうやればいいのでしょうか?というページで説明させていただいたように、集客方法はいくつかあります。しかし自身が開業するビジネスの種類によって効果の相性が良いもの悪いもの、効果の結果を回収しやすいもの回収しにくいものがあります。

・SNS集客(Twitter、インスタ、youtube)
・ホームページ集客
・タウンプラス集客
・店看板集客

私見ですが、居酒屋の集客としてはこれらが効果的と考えられます。

エクセルで作成した起業1年目~4年目までの集客数及び売上予測シュミレーション(居酒屋)PDFファイル

集客数及び売上予測シュミレーション(居酒屋)

集客数及び売上予測シュミレーションにおける弊所独自の概念

弊所独自の概念、着眼点、考え方説明
1席数一日集客限度人数の根源となる数字です。集客キャパ、売上限度額決定要因
2人員一日集客限度人数の根源となる数字です。
3営業時間一日集客限度人数の根源となる数字です。
4一日集客限度人数席数、人員、営業時間から算出します。
5月間日数-休日=稼働日数月間の集客数限度人数の根拠となります。
6一日集客限度数×稼働日×12カ月=年間集客限度人数その事業の売上高の限度を決める要素となります。
7snsフォロワー合計Twitter、インスタ、youtubeは自信をフォローしてくれている人数が客観的事実として提示することができます。また起業準備段階、開業前でもフォロワーを獲得することができます。集客数予測決定要因
8sns反応率sns反応率はあくまで予想です。業種によってsns反応率はかなり変動すると思われます。飲食業や美容業は高いと思われます。
9来客グループの種類来客グループの種類はあくまで予想です。業種によってはおひとり様が多かったり複数人グループが多かったりするでしょう。
10来客グループの種類の割合来客グループの種類の割合はあくまで予想です。業種によってはおひとり様が多かったり複数人グループが多かったりするでしょう。いくら考えても予想ですので、均等と仮定してもよいでしょう。
11タウンプラス反応率タウンプラス反応率はあくまで予想です。業種によって反応率は違うでしょう。
12営業時間中に店の前を通る人数営業時間中に店の前を通る人数は実際に調べることができ、客観的事実として提示することができます。
13店看板反応率店看板反応率はあくまで予想です。業種によって反応率は違うでしょう。
14リピーター率リピーター率はあくまで予測です。自身のサービス・商品の品質によって変動するでしょう。
15〇年目までに獲得したリピーター数〇年目までに獲得したリピーター数はあくまで予想です。次年度に繰り越します。

みなさんも弊所の考え方を参考に来客数及び売上予測を作成してみてください!

当然ですが、予測方法、算出方法に正解はありません。みなさんがご自身でもっと良い算出方法を発見されたら、それで算出してみてください!