理美容業界を取り巻く環境

美容室数、理容室数の推移

年度
(厚生労働省「衛生行政報告例」)
美容室対前年増加数理容室対前年増加数
2012年231,134130,210
2013年234,089 +2,955128,127 △2,083
2014年237,525 +3,436126,546 △1,581
2015年240,299 +2,774124,584 △1,962
2016年243,360+3,061122,539△2,045

美容師数、理容師数の推移

年度
(厚生労働省
衛生行政報告例)
美容師数理容師数
2009年443,944244,667
2010年453,362243,644
省略省略
2016年509,279223,606

理容室・理容師は減少、美容室・美容師は増加はしているが新卒者不足

理容室・理容師は確実に減少しています。原因は様々あると言われています。理容室と美容室の最大の違いは、理容室は顔剃りができます。そこから、理容室=男性、美容室=女性というイメージができあがったかもしれません。確かに私も理容室=角刈り、パンチパーマというイメージが強いです。

昔とはイケメンの定義が変わり、男性アイドルや男性芸能人は中性的な髪型が多く、一般男性もそれらの髪型を好むようになりました。こういった髪型は理容師より美容師にオーダーしやすいかと思います。

反対に美容室・美容師は増加しています。したがって美容室・美容師には明るい未来が待っているのでしょうか?しかしその実態は、美容師は定年が無いため高齢の美容師が廃業せず、美容師合格者は毎年一定数存在するため増加しているにすぎないそうです。

ある統計では美容学校の卒業生は年々8%づつ減少しているといわれています。

美容師の実態

かつて美容室全盛の時代は、来店者数が増加していたので技術を磨くことができ、歩合で収入もあがり、独立すれば時間もゆとりもできるという将来設計を描くことができていました。しかし現在は、来店する顧客が減少傾向で、技術者同士のライバルが多いため技術を磨くことができず、リピーターが獲得しづらいため収入も増えません。この負のスパイラルが業界を悩ませています。

しかし理美容師は必ず独立を考えなければならない時期が必ずやってきます。ある調査にによると理美容師の平均年収は284万円と言われています。日本全体の平均年収は422万円といわれているので、かなり低い水準となっています。そもそも理美容師業界は「一人前になったら独立する」というのが従来の考え方であり、終身雇用を前提としていません。特に男性美容師であれば、35歳から40歳前後に独立しなければ将来的に厳しくなってしまいます。

美容室を選ぶ理由の8割以上は「近いから」!?

データから見る

日本政策金融公庫「美容店に関する消費者意識と経営実態調査(2012年7月5日)」からのデータで、「美容室を利用するきっかけ」の順位は下記です。

1位「自宅、職場、学校から近いので」(46.3%)
2位「家族、友人、知人から勧められて」(31.6%)、
3位「お店の前を通りがかって」(16.2%)

まず46%が近所の美容室を選んでいます。また「お店の前を通りがかって」が16%ですが、これも「近所のお店の前を通りがかった」可能性が高いでしょう。また「知人から進められた」31%ですが、これも「知人から進められた店が近所だったから」という可能性が高いと思います。以上を総合勘案すると「実質的に80%以上が近所の美容室を選んでいる」という推測がたちます。

客単価が高い高級路線のコンセプトの場合の立地は繁華街や駅近くや高級住宅街

激安カット、格安カットとは一線を引く客単価の高い美容室を開業しようとするのであれば、美意識の高い女性客が多そうな繁華街や駅近くや高級住宅街の近くでなければ厳しいでしょう。当然ですが家賃、賃料が高くなります。しかし、付加価値や技術を取り入れやすく、また価格が高くても満足度さえ高ければリピーターとなっていただけるでしょう。

客単価が低い格安路線のコンセプトであれば場所はどこでも良いでしょう

格安カット、千円カットなどをコンセプトとして美容室を開業しようとする場合は、おそらくどんな立地でも大丈夫と思います。格安路線で始めるとなるとおそらく従業員を雇用することは厳しいため、開業独立起業した本人1名のみということが多いと思います。そうなってくるとむしろ人通りが多くて賃料の高い繁華街や駅近くでは、お客様を待たせる待ち時間が発生してお客様満足度を下げてしまう可能性があります。

逆転の発想で、賃料が安く駅から遠いが、ファミリー層や男子大学生が多そうな場所に店舗を構えてみてはいかがでしょうか?ファミリー層が多ければ親子でカットにきてくれるかもしれません。また男子大学生や男性社会人は髪の毛は身だしなみを整える程度でよいとする人も多いので、そういった方々がリピーターとなってくれるでしょう。

美容室の効果的な集客方法は?

看板広告が実はとても有効!?

美容室の広告と言えばチラシ、ビラ、ティッシュ配りなどが思いつきますが、意外と盲点となりやすいのが看板広告だそうです。上記しましたが「お客さんの8割は近所の人」ということでした。つまり「看板広告」がとても有効ということです。

しかし多くの美容室ではおしゃれさを求めているのか、「小さくて控えめ」な看板が多く見受けられます。「デカデカと名前や料金が書いている看板なんてダサイ」と言われるかもしれません。しかし「ぱっと見てよくわからない看板」こそ無意味です。ぜひおしゃれでわかりやすい看板を、お金をかけてでも作成してください。

自社ホームページを作成しましょう!

美容室のネット集客といえばホットペッパービューティーなどのポータルサイトでしょう。「中京区 美容室」「下京区 ヘアサロン」などと検索すればポータルサイトが検索されます。

しかしやはり自社ホームページを持ちましょう。私自身もそうですがまずポータルサイトで美容室を見つけた後、店名を検索して自社ホームページを検索します。自社ホームページがなければ少し不安になります。

日本政策金融公庫「美容店に関する消費者意識と経営実態調査(2012年7月5日)」からのデータで「美容店を探したり調べたりする際のICT(インターネットなど)の活用状況」というのがあり、「ICTを活用したことがある」が男性25.0%、女性30.4%というデータでした。また「ICTを活用する利点」として「HPを見ることにより、お店の概要がわかる」(72.8%)、「お店を比較できる」(57.0%)、「お店のクーポン券・サービス券を入手できる」(54.5%)というデータでした。

スマホの普及で、ホームページをチェックする確率は、若い世代ではもはや100%と言ってよいかもしれません。ぜひ自社ホームページを作成しましょう。

 

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