ラーメン(拉麺)店開業には営業許可が必要
拉麺店を開業するには、営業場所を管轄する保健所に「飲食店営業許可申請書」が必要となります。申請には食品衛生管理責任者の資格が必要で、提出書類に基づいて保健所が実地検査するのでオープンまでに余裕を持って申請することが必要です。
また深夜0時以降に酒類を提供する場合には警察署に「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」の提出が必要ですが、拉麺を主食として提供していると認められる場合は、提出が不要と考えられます。
出店したいエリアを調査しよう
飲食店にとって立地は重要なファクターなので入念に調べましょう。実は人口や世帯数などの一般的な資料は自治体の統計課や商工会議所で入手できます。
しかし、自分の目で見たほうがリアルな感触を掴めると思うのでぜひ調査しましょう。平日、休日、朝、昼、夜など時間を変えて観察し、また競合店などのチェックを行いましょう。
まずはラーメン(拉麺)屋のコンセプトと立地決めましょう
ラーメン屋で生き残っていくのは本当に大変です。拉麺屋に限らず飲食業においてはコンセプト作りが重要です。自分の作りたい拉麺と訪れるであろうお客さんのニーズが合致するかどうか考えることが重要です。
ラーメン店は立地ビジネスと言われています。基本的には拉麺は客単価が低いので回転率を高めて利益を得るという戦略になると思います。仮に食材に付加価値をつけた「1杯2,000円」のラーメンを作ったとしても、さすがに消費者は抵抗を持つと思います。「拉麺は1杯1,000円前後」というイメージが国民に染みついており、それを覆すのは難しいと思われます。
「いやいや立地が悪くても繁盛しているラーメン屋があるよ」という反論があるかもしれません。確かにそういった拉麺店は全国に存在します。ただそれは「完全にブランドが成熟した」お店であり、既に多くのファンが存在するから成り立つのです。
あなたのラーメン屋がのれん分けであったり、特別有名人でない限り、全くの無名のブランドからラーメン屋をスタートするのですから、人通りの多い良い立地を選ぶことが良いと思います。
難しいメニュー作り
一押しメインメニューとサブメニューを作ろう
「飲食店はメニューは少なく絞ったほうが良い」という意見や「いやいやこだわりの一品のみで勝負すべきだ!」という意見もあると思います。
はっきり言って正解はないと思います。ただ、現在はラーメン戦国時代といってもよく「メインのラーメンがおいしいのは当たり前」という厳しい時代に突入しています。従ってそれなりの品数は要求されるでしょう。
ラーメン屋においては、お客さんに選ぶ楽しみを与えつつ一押しメニューが引き立つようなメニュー構成が重要と言われています。
カップルや友達同士で来店した場合にお互いが異なるメニューを選んだ場合、次はもう一つのメニューを選びに来店したくなるような心理状態に誘導するのです。
原価率を考えた価格設定をしよう
飲食店の一般的な原価率は30%~40%と言われています。しかし、ラーメン屋は他の飲食業に比べて客単価が低いので、30%以下に抑えるというケースが多いようです。
しかし、近年の行列をつくるラーメン屋などでは反対に原価率を50%程度に高く設定し価格より味で勝負しているところが増えてきています。そのようなところは、素材にこだわってとにかくおいしいラーメンを作ろうと努力しています。おいしければ価格はそれほど気にならないものです。
結局飲食店が繁盛するためには「お客さんにお得感を与えられるかどうか」にかかっています。
お客さんの満足度を満たしつつ、自分のラーメン屋が儲かる適正な価格を探ることが、ラーメン屋経営において重要です。
流行を取り入れて飽きられないように工夫しましょう
ラーメン業界の流行のサイクルはとても早いです。1980年代に博多のとんこつラーメンが流行しましたが、もはや現在では完全に定番化しているので、とんこつラーメンというだけでは目新しさが無くなりました。
流行を取り入れて新商品を開発することもラーメン屋経営には必要かもしれません。トマトめん、魚介スープなど斬新なメニューが登場しています。
しかしあまりに斬新さを求めるあまりに、自分のお店のコンセプトがずれてしまってはいけません。ではどうすれば良いのでしょうか。
現代のトレンドにおいてインスタ映え、SNS映えというキーワードは外せません。見た目が重要です。「味」についてはどうしても好みや流行に左右されがちです。しかし「見た目」は良いにこしたことはありません。盛り付けを工夫しましょう。
一昔前のラーメンは平面的な盛り付けが一般的でした。現在は「立体的な盛り付け」がトレンドのようです。
拉麺屋の命、仕入について
麺の仕入れについて
拉麺屋を始めるには麺を仕入れなければなりません。最もスタンダードなのは製麺業者から仕入れることです。しかし、既成の面を仕入れる場合は、自分のラーメンの味やコンセプトに合う麺と出会うまで時間がかかる可能性があります。
業者によってはオーダーメイドで製麺してくれるところもあるので納得のできる仕入業者を探しましょう。
最近は製麺機を導入し、自家製麺を作成するラーメン屋が増えています。初期導入費用は高額になるものの、一度生産が始めればのちの麺の仕入れコストを下げることが可能です。
その他の食材仕入れについて
飲食業の仕入について一般的に下記の表のように言われています。
飲食業仕入難易度 | 仕入先 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
難 | 製造メーカー 生産農家 漁師 | 仕入値が安い 産地直送新鮮 | 取引先を自力で開拓しなければならない 仕入量を調整しにくい |
やや難 | 卸問屋 商社 卸市場 | 仕入値が安い | 信用が無ければ取引してくれない 仕入量を調整しにくい |
易しい | 個人小売店 スーパー 百貨店 | 仕入量を調整できる 誰でもすぐ仕入できる | 仕入値が髙い 鮮度が悪い |
まず「ご当地ラーメンがコンセプトなので地元の名産品でラーメンを作りたい」というのであれば、生産農家や生鮮市場などを訪ねて産地直送仕入れができるよう交渉してみるとよいでしょう。しかし、人脈やコネがなければなかなかハードルが高いように思われます。
ラーメン店の仕入れの中心になるのが、卸売り業者でしょう。様々な食材を低価格でまとめて仕入れることができ、価格も安定しています。しかし、大手業者の場合は大量仕入れのみ受け付けて細かい取引量の調節には対応してくれない可能性もあります。
最近はネットで卸売業者を見つけることができるようになったので、ぜひ利用しましょう。
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