(2018年5月6日作成)(2024年5月28日再編集)

結論

金融機関融資における保証人とは連帯保証人という意味での保証人と暗記して問題ないと解されます。

下記で詳細を記述します。

金融機関融資における保証人とは連帯保証人という意味での保証人です

広義の保証人金融機関融資以外における保証人保証人又は連帯保証人のこと解説省略
金融機関融資でいう保証人連帯保証人のこと・連帯保証人とは債務者と全く同じ債務のみを負うことです。
・債務者は融資を受けた時点では、現金及び同額の借入債務を負うもののその時点では現金と借入が両建てあるため債務が無いに等しいです。
・一方、連帯保証人は、当然現金の入金は無く、債務のみを負うことになります。

(表1)保証人の意味

上記に表にまとめました。表の内容の繰り返しとなりますが説明いたします。

連帯保証人というものの最大の恐ろしいところは借入債務のみを負うということです。例えば債務者が仮に1億円の借入金を負ったとしても、当該1億円に手を全く付けなければ手元に1億円がある状態で借入も1億円あることとなり、それを返せばすぐい借入はチャラとなります。一方で、連帯保証人は債務の借入金1億円のみを負うことになります。とても恐ろしいことです。

法人融資における無保証人は経営者保証をはずすとも言われますが、法人融資の無保証人であれば借入を踏倒すことは理屈上可能となります(決して踏倒しを推奨しているわけではありません

無限責任である個人事業主の無担保無保証人融資と有限責任である法人の無担保無保証人融資の違いについては別ページでも解説いたします。

ここでは、まず法人と法人の代表者はあくまで別人格であり、一緒であるというイメージは捨ててください、ということをお伝えいたします。

まず借入の話は出てこない法人の例で説明します。

・法人Aは代表者Xの法人であり、資本金は300万円であった
・代表者Xは、資本金300万円のお金が続く限り事業を継続し、もし仮にお金が尽きたら廃業しようという方針であった

法人Aは残念ながら廃業となりました。この場合、代表者Xは300万円を失っただけ、となります。これが有限責任という仕組みです。

一方で、借入が出てくる法人の例で説明します。

・法人Bは代表者Yが資本金300万円で設立した法人であり、法人Bは3,000万円を借り入れ、代表者Yが当該借入の経営者保証=連帯保証人となった
・法人Bは残念ながら廃業となりました

この場合、代表者Yは資本金300万円を失い、かつ3,000万円を個人財産から返済していく義務があります。みなさんはこちらのイメージを当然としてお持ちかもしれません。

・法人Cは代表者Zが資本金300万円で設立した法人であり、法人Cは3,000万円を借り入れたが、無保証人であった
・法人Cは残念ながら廃業となりました

この場合、代表者Zは資本金300万円を失いますが、3,000万円の返済義務はありません。言わば踏倒しとなります。これも有限責任の原則となります。みなさんは、理不尽である、卑怯であるなどの批判をお持ちかもしれませんが、ルールとしてはこのようになります。

無限責任である個人事業主の無担保無保証人融資と有限責任である法人の無担保無保証人融資の違いについて

信用保証協会を利用する場合の、保証をご利用いただく際には、連帯保証人が必要となる場合があります。ただし、法人代表者以外の連帯保証人は原則必要ありません。なお、個人事業主の場合、保証人は原則必要ありません。の意味とは?

信用保証協会の募集要項において、保証をご利用いただく際には、連帯保証人が必要となる場合があります。ただし、法人代表者以外の連帯保証人は原則必要ありません。なお、個人事業主の場合、保証人は原則必要ありません、という記述が見受けられます。

ここで、信用保証協会は保証人になってくれるところではないのか、保証協会の連帯保証人とは意味がよくわからず混乱する、ということになります。

・個人事業主Xが信用保証協会aの保証付きで民間金融機関Aから1,000万円の融資をうけた場合の関係性
◎債務者→個人事業主X
◎債権者→民間金融機関A
◎保証人→保証協会a
上記の1,000万円が返済不能となった場合の関係性、民間金融機関Aは保証協会aから代位弁済を受け、債権者ではなくなる
◎債務者→個人事業主X
◎債権者(求償権)→保証協会a

・代表者Yの法人Zが信用保証協会bの保証付きで民間金融機関Bから1,000万円の融資をうけた場合で代表者Yがどこに対しても保証人とならない場合、の関係性
◎債務者→法人Z
◎債権者→民間金融機関B
◎保証人→保証協会b
上記の1,000万円が返済不能となった場合の関係性、民間金融機関Bは保証協会bから代位弁済を受け、債権者ではなくなる
◎債務者→法人Z
◎債権者(求償権)→保証協会b
その後法人Zが完全に廃業した場合、保証協会bは誰に対しても請求できなくなる。

・代表者Hの法人Iが信用保証協会cの保証付きで民間金融機関Cから1,000万円の融資をうけた場合で代表者Hが信用保証協会cの連帯保証人となる場合、の関係性
◎債務者→法人I
◎債権者→民間金融機関C
◎保証人→保証協会c
◎保証協会cの連帯保証人→代表者H
上記の1,000万円が返済不能となった場合の関係性、民間金融機関Cは保証協会cから代位弁済を受け、債権者ではなくなる
◎債務者→法人I
◎債権者(求償権)→保証協会c
その後法人Zが完全に廃業した場合、の関係性
◎債務者→代表者H
◎債権者(求償権)→保証協会c
となり、最終的な債務者は代表者Hとなります。

これが信用保証協会に保証人になってもらうために法人代表者が保証協会の連帯保証人となる、というややこしい仕組みとなります。

まとめ

金融機関融資における保証人とは連帯保証人という意味での保証人です。