結論:役員報酬及び法定福利費は運転資金から除外して創業融資借入金申請額を決定しよう!

ある法人の予測損益計算書を作成してみましょう。

自分(40歳)ラーメン屋/法人配偶者無し子無し予測損益計算書
1年目2年目3年目4年目
売上5,347,2008,671,20010,938,00012,805,800
仕入(売上×30%)-1,604,160-2,601,360-3,281,400-3,841,740
初期費用0
社保扶養判定130万円以下3,743,0406,069,8407,656,6008,964,060
給与-960,000-960,000-1,920,000-1,920,000
家賃-1,200,000-1,200,000-1,200,000-1,200,000
水道光熱費-600,000-600,000-600,000-600,000
雑費-480,000-480,000-480,000-480,000
消耗品費-300,000-300,000-300,000-300,000
HPサーバー代-7,200-7,200-7,200-7,200
HPドメイン代-2,400-2,400-2,400-2,400
タウンプラス広告
2,000枚×12ヶ月
70,000円×12ヶ月
-840,000-840,000-840,000-840,000
個人賠償損害保険140円×12ヶ月0000
税理士報酬
・5,500×12ヶ月
・11,000×12ヶ月
-66,000-66,000-66,000-132,000
役員報酬等計上前利益-712,5601,614,2402,241,0003,482,460
役員報酬-2,400,000-2,400,000-2,400,000-2,400,000
法定福利費-180,000-180,000-180,000-180,000
役員報酬等計上後利益-3,292,560-965,760-339,000902,460

分析

・初年度役員報酬等計上利益▲3,292,560
・2期目役員報酬等計上利益▲965,760
・3期目役員報酬等計上利益▲339,000
・4期目役員報酬等計上利益+902,460

この数字をみてどう思われるでしょうか?

・初年度役員報酬等計上利益▲712,560
・2期目役員報酬等計上利益+1,614,240
・3期目役員報酬等計上利益+2,241,000
・4期目役員報酬等計上利益+3,482,460

なぜ役員報酬と法定福利費が最後に控除されているのか?

法人の場合役員報酬が損益計算書P/Lに計上されるため生活費を運転資金として借入てしまうことになります。

予測損益決算書より役員報酬及び法定福利費計上前の利益=事業のキャッシュフロー役員報酬法定福利費役員報酬及び法定福利費計上後利益=最終キャッシュフロー役員報酬及び法定福利費計上前の利益=事業のキャッシュフロー役員報酬及び法定福利費計上後利益=最終キャッシュフロー
1年目-712560-2400000-180000-3292560マイナスマイナス
2年目1614240-2400000-180000-965760プラスマイナス
3年目2241000-2400000-180000-339000プラスマイナス
4年目(最終CF初黒字)3482460-2400000-180000902460プラスプラス
法人の場合の借入金額の決定手順
・事業のキャッシュフローは2年目から黒字で1年目が▲712,560だから事業用運転資金が100万円程度無ければ初年度倒産する予測となる。
・役員報酬及び法定福利費計上後最終キャッシュフローは3年目までマイナスだから生活費用自己資金が(2,400,000+180,000)×3=7,740,000必要
・全財産10,000,000-7,740,000=2,260,000が事業用自己資金と決定する。
・公庫借入金額をx、公庫借入初年度返済額をx/5とする。
生活費
(役員報酬)
7740000生活費3年分7740000
設備資金5000000自己資金2260000
運転資金1000000公庫借入x
合計13,740,000合計10,000,000+x
・13,740,000=10,000,000+x
・x=3,740,000
・公庫借入金申請金額は3,740,000円と決定。
↓開始仕訳

法人の場合の開始仕訳

↓開始仕訳
現金7000000役員借入金7000000役員借入金の金額は自由
現金3000000資本金3000000資本金の金額は自由
現金4675000長期借入金4675000
資金繰り表作成へ

ここで法人の資本金の額の決定方法について考えてみましょう。

資金繰り科目名称令和 2年12月度(実績)令和 3年12月度(実績)令和 4年12月度(実績)令和 5年12月度(実績)
前月繰越04,699,4402,985,6801,898,680
収入
現金売上5,347,2008,671,20010,938,00012,805,800
借入金3,740,000000
生活用自己資金+事業用自己資金10,000,000000
収入 合計19,087,2008,671,20010,938,00012,805,800
支出
現金仕入1,604,1602,601,3603,281,4003,841,740
人件費3,540,0003,540,0004,500,0004,500,000
諸経費3,495,6003,495,6003,495,6003,561,600
借入金返済748,000748,000748,000748,000
固定資産購入5,000,000000
支出 合計14,387,76010,384,96012,025,00012,651,340
翌月繰越4,699,4402,985,6801,898,6802,053,140