創業融資審査担当者は創業計画書のどの項目を重視して判断をするのか?
重要度順位 | 項目 | 事実or見込み | 解説 |
---|---|---|---|
(1位) | (個人信用情報) | (事実) | (全国銀行個人信用情報センターの情報を共有している。融資担当者は個人信用情報の内容については質問することはできないので面接で表にでることはありません) |
1位 | 自己資金 | 事実 | やる気は目に見えません。自己資金の多さはやる気を表しています。 |
2位 | 経営者の経歴 | 事実 | 経験、知識、技術は経歴に現れます。経験無しで他人から信頼を得ることは困難です。賞やコンテスト入賞など具体的な実績があればなお良いでしょう。 |
3位 | 集客数計画書 | 見込み | 見込みではあるものの、根拠、論拠のある集客数の見込みを提示することが大切です。 |
4位 | 開業設備資金の使途内容 | 事実に近い見積もり | 適切な開業設備資金であるかどうかは重要です。無駄使いは指摘されるでしょう。 |
5位 | 事業の見通しにおける固定支出費 | 事実に近い見込み | 家賃や人件費などの固定費は見込みどおりに発生します。固定費が高すぎると指摘されるでしょう。 |
6位 | 創業の動機 | 見込み | やる気、想い、気持ち、根性論だけではビジネスは成功しませんが、そもそもやる気がなければ成功はありえません。やる気が見えない場合は指摘されるでしょう。 |
7位 | その他の項目 |
あくまで私見ですが、上記の表に創業融資における融資担当者が重要視する審査項目を順位付けしました。
審査ポイント隠れ1位の個人信用情報とは?
個人信用情報とは金融機関同士で共有している情報です。過去の自己破産や債務整理カードローン滞納などの情報を調べることができます。当然、この個人信用情報においてマイナス要素があるとかなり創業融資を受けることが困難となります。
しかし、創業融資申請書類一式に自分の個人信用情報に関して記入する項目も無く、融資審査面接で聞かれることもありません。むしろこの項目は何事も無く通過して当たり前という位置づけなのかもしれません。
自己資金と経営者の経歴でほぼ決まると言って良いでしょう
1位:自己資金について
あなたの友人が「俺今度起業するんだけど、自己資金10万円しかないんだよね」と話してきたらあなたはどう思いますか?おそらくあなたは「この人本当にやる気あるのかな?」と思いませんか?
反対に「ビジネス用に1,000万円、家族用に2,000万円貯めた、だから今度起業する」と話してきた友人がいたら、あなたは「おお!」と思うでしょう。
創業融資の審査をする融資担当者も同じではないでしょうか?口頭で「やる気あります」と言われるより「自己資金1,000万円あります」という事実のほうが信用できるのではないでしょうか?
創業融資を支援する税理士の立場からも、「あまり無茶な独立、起業、開業」は支援できかねます。これは税理士としてというよりむしろ人として提示させていただきたい意見です。
まずはしっかりと自己資金を貯めましょう。
経営者の経歴
人生においてお金の次に重要なのは知識、経験、技術でしょう。それは創業融資においても同じです。これもまた想像してください、あなたの友人が「未経験だけど脱サラしてラーメン屋をはじめる!」と話してきたらあなたはどう思うでしょうか?
反対に「三ツ星レストランのシェフ」「モンドセレクション金賞を受賞したお菓子を作ったパティシエ」が独立するとなったら応援したくなるでしょう。
創業融資の融資担当者も同じと思います。ただ、勤務年数が長ければ長いほど当然、ご自身の年齢が上がります。したがって養う家族も増える可能性が高まり、人生の冒険ができにくいという板ばさみも発生するところが難しいです。
3位以下の審査ポイントは「曲げることのできない完全な事実」ではなく「あくまで見込みや見積もり」の項目になります。したがって何を述べたところで妄想となります。その中でも見込みが固い順番で重要になってくるでしょう。
開業設備資金の使途内容
店舗を構えたビジネスの場合、確かに店舗の内装や見た目によるブランディングはとても重要でしょう。汚い店でごはんはあまり食べたくありません。しかし、豪華にするばかりで資金繰りを圧迫し、その割りに売上が立たないとなれば問題です。
内装にはこだわるものの、手作りやDIYで内装費や店舗改装費を抑えることを計画に組み込めば、逆にそれがアピールポイントとなると思います。
内装業者の見積もりが実際の費用とあまりに違うと、実際に開業したときに焦ることにもつながりますので正確な見積もりを手に入れましょう。
事業の見通しにおける固定費の支出計画
事業の見通しは見込み、妄想の要素が多くなります。しかしその中でも、家賃や人件費といった多額となるうえに確実に決まった固定費の存在があると思います。この点は指摘ポイントとなります。
立地にこだわったゆえに家賃が高額すぎないか、始めはお客さんの人数も少ないのに過剰な人員を配置して無駄な人件費を支出していないか?という点が指摘されると思います。
創業の動機
気合や根性で商売が成功したら何も苦労しないよ、という意見もありそうですが、独立、起業、開業を本気で考えて折られる方は創業の動機がはっきりしているはずです。熱い思いがあふれ出てくるはずです。
創業の動機の欄で、融資担当者の心を動かす、本気度の伝わる文章を記入しましょう。
事業計画における立地、販売促進、プロモーション、広告活動とその効果
「広告なんてしなくても良い商品、良いサービスを提供していればお客さんは来るよ」ということが言われると思います。半分本当で半分は間違っているでしょう。
有名コンビニのフランチャイズで始めるのであればチラシやビラ広告なんて不要でしょう。しかし無名で独立、開業、起業をするのであれば「まず知ってもらう」ことが大変重要です。まず来てもらって、リピーターになってもらい、口コミが広がっていくのです。
飲食店、ピザ屋、カレー屋、学習塾、整体院、接骨院、整骨院、鍼灸院、ネイルサロン、美容室ヘアサロン、不動仲介業などのチラシ広告はよく見かけるのではないでしょうか?
融資担当者に対して売上見込みをプレゼンテーションするためには、この広告活動が根拠になるでしょう。
事業の見通しの売上予想
「事業計画書で一番大切なのは売上だろ!?」という声が聞こえてきそうです。確かに売上予想は大事です。売上があるから商売が成り立ちます。
しかし「売上はなかなか予想通りにはいかない」というのは融資担当者はお見通しです。はっきり言ってしまえば売上予想の数字なんていくらでも良さそうな金額を計上できます。しかしそれらはいずれも妄想です。本当にそうなるかはわかりません。
しかしあまりにも悲観的な売上予想だと「そんなビジネスなら始めないほうが良いよ」という矛盾を生みかねないので難しいところです。
同業種で似た規模で似た立地条件で先にビジネスを始めた先輩がもしいるのであれば、その方に実際の操業当初の数字を教えてもらえれば、現実的な売上予想を立てることができます。
また「6位:広告活動」で記載した内容に関連付けて記入すればそれなりの根拠のある数字が出せると思います。
8位以下:その他の項目
その他の項目も油断することなくしっかり記入しましょう。誤字脱字、数字の整合性がないのは論外です。つじつまの合ったストーリーのある創業事業計画書、申請書類を作成しましょう。
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