結論:生活用資金及び緊急時の資金を別に保管してもなお余ったものがいわゆる事業用の自己資金です!

弊所独自の「自己資金」の考え方内容解説
定義弊所の定義における自己資金=全財産=生活用自己資金(=年間必要生活費×創業した事業から生活費をとれるまでの年数)+事業に投下できる万一失ったとしても良い事業用自己資金+超緊急時の虎の子の資金
年間必要生活費とは仮に独立・起業・開業・創業した事業から生活費を1円も取れなかった場合に生活するための資金
・独身かつ実家暮らし=120万円
・独身かつ一人暮らし=240万円
・既婚=360万円
などが妥当すると弊所は考えます。
創業した事業から生活費をとれるまでの年数創業した事業が生活費をとってもなおプラスでなければあなたは破産します。弊所は厳しく見積もり3年必要と予測します。
事業に投下できる万一失ったとしても良い事業用自己資金「世間一般に認知されている自己資金」はおそらくこの資金のことを指しています。勘違いしないでほしいことはこの資金はあくまで「事業を支える資金」であって、「生活を支える資金ではない」ということです。
超緊急時の虎の子の資金できれば一生手を付けたくないであろう最後の資金を指します。あなたやあなたのご家族の緊急事態のための資金です。いくらかは必要でしょう。
よくありがちな間違い=事業に投下する自己資金=全財産この考え方は、その立ち上げた事業から生み出されたお金で初年度から生活費及び公庫借入返済金額を捻出しなければいけない計画となります。この考え方では見込みの売上が立たないと事業はおろか、生活すら破産することになってしまいます。

弊所がお聞きする「自己資金はいくらお持ちですか?」は「あなたは全財産をいくらお持ちですか?」と尋ねています。

個人事業主の場合の運転資金、自己資金、公庫借入金の決定手順

公庫借入金額決定手順1

借入金額決定手順1(個人事業主)
①年間必要生活費を決定する。
②全財産=生活費数年分+事業用自己資金(=いわゆる世間一般で言う自己資金)を洗い出して決定する。
③設備資金は見積書で固めることができる。
①年間必要生活費=2,400,000円と決定
②全財産=10,000,000円と決定
③設備資金=5,000,000円と決定
集客数計画書
予測損益計算書を作成する

集客数計画書

集客数計画書(ラーメン屋)(個人)

予測損益計算書

自分(40歳)ラーメン屋/個人事業主配偶者無し子無し予測損益計算書
1年目2年目3年目4年目
売上5,347,2008,671,20010,938,00012,805,800
仕入(売上×30%)-1,604,160-2,601,360-3,281,400-3,841,740
初期費用0
社保扶養判定130万円以下3,743,0406,069,8407,656,6008,964,060
給与-960,000-960,000-1,920,000-1,920,000
家賃-1,200,000-1,200,000-1,200,000-1,200,000
水道光熱費-600,000-600,000-600,000-600,000
雑費-480,000-480,000-480,000-480,000
消耗品費-300,000-300,000-300,000-300,000
HPサーバー代-7,200-7,200-7,200-7,200
HPドメイン代-2,400-2,400-2,400-2,400
タウンプラス広告
2,000枚×12ヶ月
70,000円×12ヶ月
-840,000-840,000-840,000-840,000
個人賠償損害保険140円×12ヶ月0000
税理士報酬
・5,500×12ヶ月
・11,000×12ヶ月
-66,000-66,000-66,000-132,000
利益-712,5601,614,2402,241,0003,482,460

公庫借入金額決定手順2

借入金額決定手順2(個人事業主)
①年間必要生活費を決定する。
②全財産=生活費数年分+事業用自己資金(=いわゆる世間一般で言う自己資金)を洗い出して決定する。
③設備資金は見積書で固めることができる。
①年間必要生活費=2,400,000円と決定
②全財産=10,000,000円と決定
③設備資金=5,000,000円と決定
集客数計画書
予測損益計算書を作成する
予測損益決算書より事業の利益=事業のキャッシュフロー生活費生活費控除後のキャッシュフロー事業の利益=事業のキャッシュフロー生活費控除後のキャッシュフロー
1年目-712,560-2,400,000-3,112,560マイナスマイナス
2年目1,614,240-2,400,000-785,760プラスマイナス
3年目2,241,000-2,400,000-159,000プラスマイナス
4年目3,482,460-2,400,0001,082,460プラスプラス
・事業のキャッシュフローは2年目から黒字で1年目は▲712,560だから事業用運転資金が100万円程度無ければ初年度倒産する予測となる。
・生活費控除後のキャッシュフローは3年目までマイナスだから生活用自己資金が2,400,000×3=7,200,000必要
・全財産10,000,000-7,200,000=2,800,000が事業用自己資金
・公庫借入金額をxとする。
生活費
(事業主貸)
7,200,000生活費3年分7,200,000
設備資金5,000,000事業用自己資金2,800,000
運転資金1,000,000公庫借入x
合計13,200,000合計10,000,000+x
・13,200,000=10,000,000+x
・x=3,200,000
・公庫借入金申請金額は320万円と決定。
↓開始仕訳
現金7,200,000元入金7,200,000生活費用自己資金
現金2,800,000元入金2,800,000事業用自己資金
現金3,200,000長期借入金3,200,000事業用借入金
資金繰り表作成へ

資金繰り表1~4期

資金繰り科目名称令和 2年12月度(実績)令和 3年12月度(実績)令和 4年12月度(実績)令和 5年12月度(実績)
前月繰越04,447,4403,021,6802,222,680
収入
現金売上5,347,2008,671,20010,938,00012,805,800
借入金3,200,000000
生活用自己資金+事業用自己資金10,000,000000
収入 合計18,547,2008,671,20010,938,00012,805,800
支出
現金仕入1,604,1602,601,3603,281,4003,841,740
人件費960,000960,0001,920,0001,920,000
諸経費3,495,6003,495,6003,495,6003,561,600
借入金返済640,000640,000640,000640,000
固定資産購入5,000,000000
生活費2,400,0002,400,0002,400,0002,400,000
支出 合計14,099,76010,096,96011,737,00012,363,340
翌月繰越4,447,4403,021,6802,222,6802,665,140

法人の場合の運転資金、自己資金、公庫借入金の決定手順

公庫借入金決定手順1

借入金額決定手順1(法人)
①年間必要生活費を決定する。
②全財産=生活費数年分+事業用自己資金(=いわゆる世間一般で言う自己資金)を洗い出して決定する。
③設備資金は見積書で固めることができる。
①年間必要生活費=2,400,000円と決定
②全財産=10,000,000円と決定
③設備資金=5,000,000円と決定
集客数計画書
予測損益計算書を作成する

集客数計画書

予測損益計算書

自分(40歳)ラーメン屋/法人配偶者無し子無し予測損益計算書
1年目2年目3年目4年目
売上5,347,2008,671,20010,938,00012,805,800
仕入(売上×30%)-1,604,160-2,601,360-3,281,400-3,841,740
初期費用0
社保扶養判定130万円以下3,743,0406,069,8407,656,6008,964,060
給与-960,000-960,000-1,920,000-1,920,000
家賃-1,200,000-1,200,000-1,200,000-1,200,000
水道光熱費-600,000-600,000-600,000-600,000
雑費-480,000-480,000-480,000-480,000
消耗品費-300,000-300,000-300,000-300,000
HPサーバー代-7,200-7,200-7,200-7,200
HPドメイン代-2,400-2,400-2,400-2,400
タウンプラス広告
2,000枚×12ヶ月
70,000円×12ヶ月
-840,000-840,000-840,000-840,000
個人賠償損害保険140円×12ヶ月0000
税理士報酬
・5,500×12ヶ月
・11,000×12ヶ月
-66,000-66,000-66,000-132,000
役員報酬等計上前利益-712,5601,614,2402,241,0003,482,460
役員報酬-2,400,000-2,400,000-2,400,000-2,400,000
法定福利費-180,000-180,000-180,000-180,000
役員報酬等計上後利益-3,292,560-965,760-339,000902,460

公庫借入金決定手順2

借入金額決定手順2(法人)
①年間必要生活費を決定する。
②全財産=生活費数年分+事業用自己資金(=いわゆる世間一般で言う自己資金)を洗い出して決定する。
③設備資金は見積書で固めることができる。
①年間必要生活費=2,400,000円と決定
②全財産=10,000,000円と決定
③設備資金=5,000,000円と決定
集客数計画書
予測損益計算書を作成する
予測損益決算書より役員報酬及び法定福利費計上前の利益=事業のキャッシュフロー役員報酬法定福利費役員報酬及び法定福利費計上後利益=最終キャッシュフロー役員報酬及び法定福利費計上前の利益=事業のキャッシュフロー役員報酬及び法定福利費計上後利益=最終キャッシュフロー
1年目-712,560-2,400,000-180,000-3,292,560マイナスマイナス
2年目1,614,240-2,400,000-180,000-965,760プラスマイナス
3年目2,241,000-2,400,000-180,000-339,000プラスマイナス
4年目(最終CF初黒字)3,482,460-2,400,000-180,000902,460プラスプラス
・事業のキャッシュフローは2年目から黒字で1年目が▲712,560だから事業用運転資金が100万円程度無ければ初年度倒産する予測となる。
・役員報酬及び法定福利費計上後最終キャッシュフローは3年目までマイナスだから生活費用自己資金が(2,400,000+180,000)×3=7,740,000必要
・全財産10,000,000-7,740,000=2,260,000が事業用自己資金と決定する。
・公庫借入金額をxとする。
生活費
(役員報酬)
7,740,000生活費3年分7,740,000
設備資金5,000,000自己資金2,260,000
運転資金1,000,000公庫借入x
合計13,740,000合計10,000,000+x
・13,740,000=10,000,000+x
・x=3,740,000
・公庫借入金申請金額は3,740,000円と決定。
↓開始仕訳
現金7,000,000役員借入金7,000,000役員借入金の金額は自由
現金3,000,000資本金3,000,000資本金の金額は自由
現金3,740,000長期借入金3,740,000
資金繰り表作成へ

資金繰り表1~4期

資金繰り科目名称令和 2年12月度(実績)令和 3年12月度(実績)令和 4年12月度(実績)令和 5年12月度(実績)
前月繰越04,699,4402,985,6801,898,680
収入
現金売上5,347,2008,671,20010,938,00012,805,800
借入金3,740,000000
生活用自己資金+事業用自己資金10,000,000000
収入 合計19,087,2008,671,20010,938,00012,805,800
支出
現金仕入1,604,1602,601,3603,281,4003,841,740
人件費3,540,0003,540,0004,500,0004,500,000
諸経費3,495,6003,495,6003,495,6003,561,600
借入金返済748,000748,000748,000748,000
固定資産購入5,000,000000
支出 合計14,387,76010,384,96012,025,00012,651,340
翌月繰越4,699,4402,985,6801,898,6802,053,140