結論をまとめた表

設備資金、運転資金、自己資金、創業融資限度額、返済期間等との関係性のまとめ  
創業融資限度額について弊所の見解
日本政策金融公庫の創業計画書の記入例より記入例歯科診療所の1,000万円が最高金額でした。明言はしていないものの暗に限度額が1,000万円であることを示しているように見受けられます。
元公庫マンが執筆した創業融資に関する書籍Aより「必要資金が1,000万円を超える場合は日本政策金融公庫だけでの調達は容易ではない」との記述がありました。左記は妥当するように思います。
起業コンサルタント税理士さんが執筆した創業融資に関する書籍Bより「1,000万円を超える段階で、支店決裁ではなく本店決裁となり一気にハードルがあがるため、実務上は1,000万円までというのが審査通過のためのひとつの安全ゾーンである」という記述がありました。左記は妥当するように思います。
税理士が監修した創業融資に関する書籍Cより創業融資限度額に関する言及はありませんでした。-
税理士・司法書士・社労士の共著の創業融資に関する書籍Dより創業融資限度額に関する言及はありませんでした。-
美容業に詳しい税理士が執筆した創業融資に関する書籍Eより創業融資限度額に関する言及はありませんでした。-
ネットの情報より「1,000万円を超える融資は本店決裁となり実質的に不可能」という記述がありました。左記は妥当するように思います。
返済期間について日本政策金融公庫HPより「運転資金7年以内、設備資金20年以内、元金返済据置期間2年以内」という記述があります。弊所の見解
日本政策金融公庫の創業計画書の記入例より6~7年の記述が多いです。弊所は5年が妥当するように思います。
元公庫マンが執筆した創業融資に関する書籍Aより「通常は5年程度の返済期間に設定される場合がほとんどです」との記述がありました。
起業コンサルタント税理士さんが執筆した創業融資に関する書籍Bより創業計画書の作成記入例において「返済期間5年」と記述されていました。
税理士が監修した創業融資に関する書籍Cより創業計画書の作成記入例において「返済期間5年」と記述されていました。
税理士・司法書士・社労士の共著の創業融資に関する書籍Dより返済期間についての言及はありませんでした。
美容業に詳しい税理士が執筆した創業融資に関する書籍Eより返済期間についての言及はありませんでした。
ネットの情報より「借入期間は5年以上、運転資金5~7年、設備資金5~10年」と記述がありました。
設備資金と運転資金の関係性について弊所の見解
日本政策金融公庫の創業計画書の記入例より9件の記入例のうち7件が「設備資金>運転式」となっています。「設備資金>運転資金」と定義づけてよさそうです。
元公庫マンが執筆した創業融資に関する書籍Aより「運転資金はどれくらいの金額まで融資が出ますかという質問に3~4か月分の原価や経費の金額までですと答えています」という記述がありました。この考え方・手順で事業の見通しと整合性を合わせるのは難しいと思います。
起業コンサルタント税理士さんが執筆した創業融資に関する書籍Bより「運転資金は見積書が無く資金使途を明示しにくいため借りることが困難である」という趣旨の記述があります。運転資金の決定方法が明記されていないように見受けられます。
税理士が監修した創業融資に関する書籍Cより運転資金に関する説明は特にありませんでした。
税理士・司法書士・社労士の共著の創業融資に関する書籍Dより運転資金に関する説明は特にありませんでした。
美容業に詳しい税理士が執筆した創業融資に関する書籍Eより「必要な資金で最も重視されるのは運転資金であり、赤字期間でも成り立つ運転資金を持っているかどうかが重要となります」との記述がありました。運転資金としてではなく設備資金として融資申請すべきと読み取れるので妥当するように思います。
ネットの情報より「運転資金は設備式により借りにくい」という記述がありました。運転資金の決定方法が明記されていないように見受けられます。
自己資金割合、自己資金の何倍まで借入できるかについて弊所の見解
日本政策金融公庫HP「創業計画Q&A」より「一概には言えませんが、「2013年度新規開業実態調査」(日本政策金融公庫 総合研究所調べ)によると、創業資金総額に占める自己資金の割合は27%となっています。」との記述があります。日本政策金融公庫は自己資金割合27%を基準としていると思われます。しかし借入金は仮に事業が倒産した場合でも、生活費用自己資金や虎の子の自己資金で緊急返済できる金額にとどめるべきというのが弊所の見解です。
日本政策金融公庫の創業計画書の記入例より25%~40%となっています。
元公庫マンが執筆した創業融資に関する書籍Aより「総投資額の1/3の自己資金を貯める努力は必要です」との記述があります。
起業コンサルタント税理士さんが執筆した創業融資に関する書籍Bより「創業資金のうち自己資金の割合が1/10~1/2ほどであることが審査基準となっています」との記述があります。
税理士が監修した創業融資に関する書籍Cより「多くの方が自己資金割合3割で始められている」との記述がありました。
税理士・司法書士・社労士の共著の創業融資に関する書籍Dより「自己資金割合が20%未満では厳しく、40%以上であればよい」との記述がありました。
美容業に詳しい税理士が執筆した創業融資に関する書籍Eより「総投資額の1/3以上あることが求められます」との記述がありました。
ネットの情報より「自己資金割合は30%~50%が望ましいですが、10%でも借りれます」というような記述がありました。
「必要な資金と調達方法」を固める手順について弊所の見解
日本政策金融公庫のHP明確な説明の記述はありませんでした。日本政策金融公庫には具体的な作成手順、プロセスの明示が無いため、具体性に欠けています。
元公庫マンが執筆した創業融資に関する書籍Aより「①設備資金の金額を決める②原価経費の3~4か月分+自己資金金額を目安に計上する③融資申込金額を決めるという手順で進めると無理なく決めることができます」との記述がありました。この考え方・手順で事業の見通しと整合性を合わせるのは難しいと思います。
起業コンサルタント税理士さんが執筆した創業融資に関する書籍Bより「必要資金=設備資金+運転資金×3~6カ月程度」という記述があります。
税理士が監修した創業融資に関する書籍Cより「明確な部分から書いていき、左右の帳尻は運転資金欄で合わすなどします。もちろん創業計画書の他の要素を考えて最後に公庫からの借入の額を埋める考え方もよいでしょう」という記述がありました。
税理士・司法書士・社労士の共著の創業融資に関する書籍Dより「①全財産をリストアップ②設備資金をリストアップ③運転資金をリストアップ④利益が生活費以上になるまでの生活費を計算⑤①から④を控除したものが自己資金⑥自己資金と収支計画から借入金額を決定」というような趣旨の記述がありました。弊所の考え方と概ね一致します。
美容業に詳しい税理士が執筆した創業融資に関する書籍Eより「営業利益+減価償却費-借入金返済額-家計費が実現的で整合性があるか」というような趣旨の記述がありました。この考え方・手順で事業の見通しと整合性を合わせるのは難しいと思います。
ネットの情報より「必要資金=設備資金+運転資金×3カ月程度」という記述があります。
弊所独自のオススメの考え方弊所独自のオススメの考え方
創業融資限度額について創業融資限度額は1,000万円であるという考えが妥当するように思います。
返済期間について返済期間は下記の理由から5年が妥当すると思います。
①返済期間及び元本据置期間を長く設定しなければ成立しない創業計画書は、つまりそうしなければ資金繰りが悪化することを自ら説明していることになります。
③返済期間を5年と設定しておけば5年未満に短く要求されることはないでしょうから、当初の事業計画から変更となるリスクを避けることができます。
設備資金と運転資金の関係性について①集客数計画書を作成する②①から予測損益計算書を作成する③②から設備資金の金額未満の運転資金の金額を決定する
自己資金割合、自己資金の何倍まで借入できるかについて借入金は仮に事業が倒産した場合でも、生活費用自己資金や虎の子の自己資金で緊急返済できる金額にとどめるべきというのが弊所の見解です。
「必要な資金と調達方法」を固める手順について①集客数計画書を作成する②①から予測損益計算書を作成する③②から設備資金の金額未満の運転資金の金額を決定する④生活用自己資金を決定する⑤全財産-生活用自己資金で事業用自己資金を決定する⑥借入金額をx、初年度返済金額をx/5としてxを算出する、この手順を推奨します。

創業融資限度額について

結論:1,000万円が開業時に創業融資を受けることができる限度額と言ってよいでしょう。

理由:異口同音に、1,000万円を超えると支店決裁ではなく本店決裁となる、と述べられています。

返済期間と元金据置期間について

弊所の結論:返済期間は5年としましょう

日本政策金融公庫創業計画書記入例の分析

日本政策金融公庫記入例
業種
設備資金(万円)運転資金(万円)必要資金合計自己資金自己資金割合日本政策金融公庫借入金額返済期間
洋風居酒屋97023012003000.25元金10万円×70回=700万円70回=5.8年
700万円を5.8年で返済
美容業87013010003000.3元金7万円×72回=500万円72回=6年
500万円を6年で返済
中古自動車販売業50056010603600.33元金7万円×72回=500万円72回=6年
500万円を6年で返済
婦人服・子供服販売業6202308502500.29元金7万円×86回=600万円86回=7.1年
600万円を7.1年で返済
ソフトウェア開発業69086015505500.35元金6万円×84回=500万円84回=7年
500万円を7年で返済
内装工事業6402008403400.40元金6万円×84回=500万円84回=7年
500万円を7年で返済
学習塾5201506702700.40元金5万円×80回=400万円80回=6.6年
400万円を6.6年で返済
歯科診療所170030020007000.35元金12万円×84回=1,000万円84回=7年
1,000万円を7年で返済
介護サービス84055013903900.28元金8万円×88回=700万円88回=7.3年
700万円を7.3年で返済

上記より6~7年が多いように見受けられます。

その他書籍やネットからの情報の分析

返済期間は5年と述べられているケースが多く見受けられました。

設備資金と運転資金の関係性について

結論:設備資金>運転資金が妥当すると思われます。